プロベラ
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乾鮑厨師の熱き想い

乾鮑に魅せられた大食漢の綴り 
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衣食足りてラスパルマスその9 愛の鞭 血と涙に恥を知る
0700 雪 外気温-1.7度室温15度 西3 視程4km 波浪1m
強風の為 屋根の雪は僅かですが、道には積雪10cm

新卒者の就職シーズンが始まりました。
数十年前、私も希望に胸ふくらませて社会人の仲間入り。
昨今の社会情勢、企業は新人を育てる余裕が御座いません。
即戦力、若しくは極めて優秀な人材にしか
門戸を開けてくれないようです。

我が青春は、団塊の世代、競争は激しかったですが、
古き良き時代で御座いました。
それでは、恥の御披露 始まりで御座います。

甲板員の仕事が終わり食事を済ませた午后6時過ぎから、
就寝までが無線の見習い勤務です。

新米の仕事は、JJC 新聞と気象受信です。
(本船にはファクシミリは御座いません。)

娯楽の少ない船内 楽しみは、日本の情報が詰まった
船舶無線局発行の新聞です。
JJCが世界の船舶に向けモールス信号で
長いときは数時間にわたって送信するのを
無線通信士が受信します。

カタカナで受信した文を読みやすいように
新聞のように整形するのも通信士のセンスです。
出来上がった新聞をサロンに張り出します。

局長(通信長の事)は、モールス信号を漢字で書いて
一気に新聞を作ります。
送信終了とほぼ同時に新聞が出来上がってます。

私は、大きなJJC専用受信紙に、カタカナ、英語で書き
送信終了後、辞書を見ながら、漢字に直し新聞を作ります。
自分でかいたカタカナが読めない事もあります。
1時間はたっぷりかかりました。

赤道を変わる あたりから空電やフエージングが激しく
受信信号も弱くなりました。
それに比例して受信文に 取りこぼしが出るようになりました。
喜望峰沖では、かすれるような信号音と波浪による船酔いが
重なり満足な受信できません。

右手に鉛筆、左手は受信機の取っ手を握り体を支えます。
左手の小指で受信紙は動かないように支えます。
ローリング、ピッチングだけでなく 横滑り 
綱の切れたエレベーターのように真っ逆さまに落ちたと思うと
山登りが始まります。 体を支えながらの受信です。

当時、JJC送信局は日本だけでした。
その為、大西洋での受信は困難を極めました。
(翌年よりJJCシンガポール中継局稼働 随分楽になりました)

余談ですが、耳フィルター という言葉があります。
同じ信号を受信しても、私には雑音しか聞こえません。
局長はその同じ音から信号を聞き分けてました。
テープにとって、何度も繰り返して聞くのですが
雑音しか聞こえません。
この極意が判るまで、数年を要しました。
  通信=通心 がその極意で御座います。
うろ覚えで御座いますが、聖書にもそのような
一節があったように思います。

どんなに素晴らしい言葉も、聞く耳を持たない者には
何もつたわらい       のような?

船内では、大相撲が大人気でした。
それぞれに ひいき力士があり、相撲星取り表を作り
一喜一憂です。
誰が優勝するかそんな楽しみも御座いました。

通信士が絶対に犯してはいけない事は 捏造です。
事実をありのままにが、鉄則です。
受信不能で、歯抜けになったところは、そのまま提出すれば
局長が、直してくれたのですが、
(局長の執務時間に、僚船に問い合わせるとか)

勝手に埋めてしまいました。(ばかげのいたりでした)
当然の結果ですが、 千秋楽 JJCが発信する 優勝力士と
本船の星取り表が合わないのです。

この頃、食料、水不足で 皆イライラしておりました。
怒り 不満の矛先は弱いところに出て来ます。

局長は、今迄 数々の失敗にも教え諭す方でした。
暴力は一度も御座いません。

今回の件は、余程腹にすえかねたと存じます。
私の電鍵(モールス信号発信器)を取り上げ、力任せに頭にごつん
学生時代、切った貼ったは 経験済みですが
出血や痛みより、事の重大さに身の置き場を失いました。

温厚な局長を怒らせてしまいました。
通信士失格を思い知りました。
この日を境に、無線局に出入りする事は無くなりました。
出入り禁止では御座いません。
恥ずかしくて、ドアに手をかけられないのです。

船から消えようと 自問自答しましたが、
自分は楽になりますが、船は現場を動くことが出来なくなります。
恥の上塗りは出来ません。 悶々とした日が続きます。
海の色は、青のはずですが、アセンション島沖は
どす黒いモノトーン、私の心と同じ色です。

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| むかしばなし | 08:32 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |









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